宮城県の石巻、牡鹿半島で開催されている芸術祭「Reborn Art Festival 2017」(=RAF) (2017年7月21日~9月10日)に行ってきました。
はじめに
「行ってきた」といっても、足を運んだのは約1か月前の7月27日。会期の序盤です。
そもそも芸術祭というもの自体に一度も行ったことが無いし、アートにもそれほど興味を持っていたわけではないんです。
この芸術祭の源流ともいえるap bank fesには、初年度の2005年から足を運んでいたので、開催にいたるまでのいろんな文脈はそれとなく理解していました。
昨年、石巻で開催されたプレイベントにも足を運んでいたし、今年のap bank fesにも3日間参加する事が決まっていたけど、芸術祭自体にはそこまで興味がわいていませんでした。
東日本震災から6年が経って、東京に住んでいる自分にとっては、震災を忘れたわけではないけど日常の中で反芻する機会はやはり少なくなっていたし。
この芸術祭が震災をきっかけに誕生したことは理解しつつも、石巻って遠そうだし。
そんな自分が足を運んでみようと思ったのは、6月30日に東京・代々木VILLAGEで開催された「Reborn-Art Dialogue vol.02」で話を聞いたことが大きなきっかけ。
この芸術祭を取り仕切っている小林武史さん、和多利浩一さん、そして瀬戸内国際芸術祭など多くの芸術祭で総合ディレクターをつとめている北川フラムさんの話を聞いて、「この機会に芸術祭を体験しておく必要があるな」と。
今回の芸術祭が開かれる意義、かける想いみたいなものをすごく感じたんですね。
結論から言うと、実際に足を運んでみて、(おそらく)初めて震災の傷跡を肌で感じられたかけがえない体験でした。
その時に感じたものをなかなか言葉に出来ないところがあったんですが、その後のテレビ番組での特集や、ワタリウム美術館で行われた「Reborn-Art Festival2017 場外バトルトーク」でのアーティストの話を聞いてようやくテキストに出来そうなので、このエントリーを書いています。
公式HPのサマリーには、この芸術祭についてこのようにあります。
今、生まれ変わろうとしている東北だからこそ、他では出会うことのない価値観や人に出会うことができる。
今まで出会うことのなかった自分にさえ、出会うことができるかもしれない。
「Reborn-Art」とは、東北の再生を指すだけでなく、参加する人それぞれの「Reborn」を願うお祭りです。
この芸術祭のキャッチフレーズは「これからの自分に、出会う旅。」
石巻に足を運んだことで、自分の中にそれまでとは確実に違う何かが芽生えている気がしています。
実際に私がたどったルートについて、そしてこの芸術祭で思ったことなんかを書いていこうと思います。
事前情報の少なさに苦戦
仙台には数回行ったことはありましたが、石巻・その先の牡鹿半島となると具体的にイメージできるものが何もありませんでした。
仙台から石巻まで電車で1時間。さらに牡鹿半島までバスで1~1.5時間と聞くとねえ。
もともと7月28日から3日間開催されたap bank fesに参加することも決まっていたので、さらに一日早く宮城に向かったわけです。
現在は公式HPで、各エリアの鑑賞コースがpdfでダウンロードできるようになったりと情報が出ていますが(とはいえ分かりづらい)、スタート当初はホントに情報が無くて。
ただでさえ広大な範囲で行われている芸術祭にもかかわらず、展示作品の具体的な位置関係がほとんど分からず(当時はgoogle mapでの紹介すらなかった)、どのくらい作品を鑑賞できるのか手探りなままとりあえず石巻に向かいました。
今回は車無しで向かったので、石巻からの交通手段は
・路線バス
・リボーンアート・バス(※作品間を移動する無料バス)
だけとなります。
石巻に着くまで
芸術祭の作品鑑賞にはリボーンアートパスポートへの捺印が必要となります。
受付開始の朝9時から行動したかったので、高速バスで午前6時前に仙台駅に到着。
仙台駅08:20発(石巻駅09:20着)の仙石線に乗車するまで、仙台駅近くのスーパー銭湯へ。
【脱線1】
ここが超良かったです。
1,200円(会員になったら900円)で3時間くつろげるので、仙台で早朝時間をもてあました時はオススメですよ(男性限定ですが)。
もちろんタオルなどのアメニティグッズもすべてこの値段で使えます!
【脱線2】
仙台駅のパン屋でたまたま見つけた、ちくわパン。
焼き立てなのもあってめちゃくちゃ旨かったです。これまたオススメですよ。
あっという間に電車に乗る時間を迎え、仙石線のホームへ。
平日の出勤時間でしたが、始発駅という事もあってゆったり座ることもできました。
東京の通勤ラッシュとは全く違う、まったり空気が車内に流れています。
この日は天気も良かったので、窓際の席で景色を見ながら。
約1時間電車に揺られて石巻駅に到着。
初めての石巻
会期序盤、さらに平日の午前中という事もあったと思いますが、駅周辺に人が少ない。
東京の都心で生活している人間からするとその様子に最初びっくりしましたが、おそらく日本全体を見ればこういう光景の方が日常的なんだろうな。
駅周りには009やxxxなど石ノ森章太郎のキャラクターがいろんなところに。
駅を出て右手に目を向けるとReborn Art Festivalのパスポート受付テントが見えます。
(作品鑑賞にはパスポートが必要。もちろんここでも買えます)
サクッとスタンプを押してもらって、早速作品を見て回るぞ!!
・リボーンアートフェスティバル2017(石巻市エリアA・B)
・リボーンアートフェスティバル2017(牡鹿半島中部エリアC)
・リボーンアートフェスティバル2017(牡鹿半島先端エリアD)